使わなくなったノートPCのバッテリーパックがあったので、殻を割ってリチウムイオン電池を取り出してみる。
とりあえずこれ、過去に書いた記事を見ると10年ちょっと前に壊れたDELLのノートパソコンのものでした。
当時すぐに本体が壊れてしまった事もありますが、これはオプションの大容量バッテリーでほとんど充放電もしていなかったものです。（ほぼ新品）
とはいえ10年以上経っているので完全に放電してるかもしれないなぁ。
アクリルカッターで切り開きました。
大容量パックなので本数多いですね。3並列です。
CGR18650E Panasonic製でした。
ばらしました。
電圧を計測すると、なんと3.2～3.6Vありました。
さすが自然放電の少ないリチウムイオン電池ですねぇ。
10年以上経過してもこれだけ残っているってすごくないですか？
もしかするとパナ製の電池が優秀なだけかもしれないけど。
リチウムイオン電池の放電終止電圧は2.7V程度らしいので全然大丈夫ですね。
生セルとして使いたいと思います。
念のため充電してみましたが問題無しでした。
このバッテリー、実はたまに補充電して満充電状態で保管していたのですが、たしかリチウムイオン電池って満充電での長期保管は劣化が早まる。らしいですね。
この時は知らなかったのでおもいっきりやってました。＾＾；
正しい保管方法は？というと、
満充電がダメだとは言え保管中に放電終止電圧まで落ちるとまずいので、
全容量の半分程度を目安に保管するといいらしいです。
続いてこちら、結構使い込んだと思われるTOSHIBAのノートPCのジャンクから回収品です。
多分15年以上前の物かと思います。
さすがにちょっと嫌な予感がします。
開きました。
2並列ですね。
取り出しました。
ん？
ダメだ！ これは終わってる。
他のセルも期待できませんね。
電圧測ると、０V、1.7V、2.4V あたり
どれも終止電圧を大きく割り込んでますね。
パックを２個割って気が付いたのですが、
3本直列のうち＋極側の方が電圧降下（劣化）が激しかったです。
何で？ 理屈は判らないので詳しい方解説してくれると嬉しいです。＾＾
取り出した電池を充電したいのですが放電終止電圧を大きく割り込んでいる電池は、
充電器に入れてもエラーになるか、ニッケル水素と間違えられて1.4V程度で充電されてしまいます。
０Vになってしまった電池も試しに充電してみましたが当然エラーになってしまいました。
ちなみに電池が赤になっているのは収縮チューブを掛け直したからです。
Amazonで5ｍで430円でした。
一番安そうなものを買いましたが問題なく使えました。
ロールで買ったので、72mmの長さにカットして使用するとぴったりです。
話が逸れましたが、放電終止電圧を下回った電池を充電したいので、
一時的に放電終止電圧以上の電圧まで強制充電してみます。
とりあえず電圧を４Vに設定して、Max400mAで断続的に充電してみます。
電池の発熱に注意しながら電圧の上昇スピードを見つつ断続充電してしてみました。
感覚的ですが、400ｍAは多い様な気がして最終的には100ｍA～150ｍAで連続充電し、3.0V程度まで充電するというやり方に落ち着きました。
これで充電器をだますというか、正しく電池の種類をリチウムイオン電池と認識してくれるという訳です。
この方法で３本は本来の７０％程度の容量まで復活しました。
（０Vの電池はさずがに再起不能でした）
ちなみに放電終止電圧を下回った電池の再充電は非常に危険と言われています。
そういわれてもピンとこないのでちょっと調べてみました。
簡単にまとめると、放電終止電圧を下回ると負極から銅イオンが析出されてしまう。
その状態で充電すると、スパイク状に結晶化した銅がセパレーター（絶縁フィルム）を貫通してショートしてしまうことがある。
また条件次第ではリチウムイオンからもリチウム金属が析出されて同様の現象が起きることもある。
ってことらしいです。
ショートすれば発熱するし、発熱すれば損傷も広がりますね。
一度傷がつくと悪循環する訳です。
軽微な損傷の場合は、ただならぬ発熱で異常に気が付くかもしれませんが、急速充電などをしてしまった場合は、瞬間的に悪循環のループが加速してしまい、熱暴走、発火、爆発という流れになってしまうらしいです。
という訳で、今回こちらの放電終止電圧を下回った１８６５０に対して、
安定化電源で弱電流を強制的に流して、充電可能な電圧まで引き上げるというチート技を行いました。
が、
見た目は3本復活しましたが、先ほど言ったように内部に爆弾を抱えた状態な訳で、本当の復活とは言い難いですね。
これだけ危ないと書いておきながら、復活した18650も使う気満々ですが、とりあえず色々な充電実験などに使ってみて、どの程度のリスク管理が必要なのか考える材料にしたいと思います。
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