HDDの容量の容量はどんどん増えて、容量単価は下がってはいるのですが残念なことにディスクに異常が発生した場合、HDD丸ごとゴミになってしまいます。
セクター(物理的な記録箇所の最小単位)に傷などが原因で記録できなくなるとそのHDDはフォーマットすらできなくなります。
※ごく少量の不良セクターであれば、代替えセクターといって予め予備として用意されたものでカバーできます。
ごく少量でかつ代替えセクターが残っていればディスク修復コマンド(chkdsk /r)などで修復可能です。
今回は修復不能だったディスクの話です。
全体から見ればほんの一部の障害で高価なHDDが丸ごとゴミになるのは悲しすぎます。
そこでディスクの不良個所を特定し、正常な部分を強制復活させます。
但し、一度不良の出たディスクの信頼性は極端に低いのでいつ壊れても支障のないワーク用などに用途は限定されます。
今日の素材は、Seagateの3TB 3.5inch HDD です。
NASに使っていたのですが、不良セクターの発生で弾かれたものです。
先ずは不良個所の特定と全体的なダメージなのか、部分的なダメージなのかを見極めるために全セクタースキャンを掛けます。
セクタースキャンを掛ける方法としては、Windows標準、有料ソフト、無料ソフトといろいろあるので好みに合ったものを使えばよいのですが、
パーティションの制限を受けずディスク丸ごとスキャンできるものを使ってください。できれば不良だけでなく、不良の兆候があるセクターも視覚化できるものが良いですね。
まるむしが良く使っているのは、HDD-SCANというフリーソフトです。
HDDの復旧をしている会社なのですが、使い始めた時は一会社が提供しているツールなので何か仕込まれていたら嫌だなぁ(DRTCさんゴメン^^;)と思いつつも便利なので使い続けて今日に至ります。
なお本業のデータリカバリーに関しては利用したことがないのでノーコメントです。
対象のHDDを選択。
沢山あって判らない場合は、HDDに貼られているModel Noを目視確認ね。
右の「検査」を押すだけです。
最近は大容量なので大抵の場合数時間待ちとなります。
4時間かかって終了しました。
不良個所の状態によってはスキャンが進まず症状がさらに悪化する場合もあるので、
処理に時間はかかりますがなるべく目は離さないように。
中央付近に1箇所不良セクターが集中している箇所が見つかりました。
大容量を1画面で表現しているので点ですが、312セクターが不良と判定されています。
寿命が近いディスクの場合、読み辛い箇所(オレンジ色)が全体にちらほら出ている場合があるのですが、
このディスクの場合、オレンジ色がないので傷による部分破損の可能性が高いと判断しました。(赤い部分に近づかなければ問題ないという事です)
では、赤い部分を切り離しましょう。
まるむしはこのEaseUS Partition Master をよく使います。
一連の作業がバッチ処理(作業を指示して最後に一連の指示を確定する)できるので気に入ってます。
確定するまでは何度でもやり直せるのでパーティションを細かく再編成する場合は非常に重宝します。
便利機能満載のツールですが、今回はフリーでも利用できるパーティション機能を使用します。
さて調理方法ですが....
ディスク領域を適当な大きさにパーティションで切っていきます。
不良個所に心当たりがある場合は細かく、絶対大丈夫と思うところは大きめに切ると良いでしょう。
よくわからない場合や何か所にも散らばっている場合は、まず均等に4~6分割ぐらいが良いでしょう。
今回の場合は、全スキャンでおおよその場所が判っているのでその周辺のみ細かく分割しています。
(正確なエラー個所が知りたい場合は、全スキャンのログを参照すると良い)
で、分割したパーティションを順にサーフェイステストを仕掛けていきます。
終了しました。
色は付いていませんが不良セクタのカウントが2になっているパーティションを見つけました。
その他のパーティションはすべてOKだったのでここで間違い様です。
欲張って傷のついたセクタのギリギリまで攻めると、近い将来エラーが出る確率がアップするので納得できるほどほどのところで妥協しておきます。
一説には傷がついた時の粉塵が周囲に飛散していて新たなエラーを引き起こすそうです。
実際のところどうなんでしょうね?
エラー個所の周囲50GBほどを切り捨てて、前後のパーティションを復活させました。
439GB、1340GBの2つに割れましたが、1.7TBほどのワーク用ドライブとして復活しました。^^
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